
クレアチンのローディングは必要?やり方・量・しない場合の違いを管理栄養士が解説
この記事を書いた人
堀川 えり管理栄養士・フードスペシャリスト
医療栄養学を専攻し、医療機関での栄養カウンセリング、小学校や保育園での調理・栄養士業務を経てフリーの管理栄養士として独立。
「最近、トレーニングの強度が頭打ちになっている」「筋肉の成長が停滞している」と感じていませんか?普段、筋トレをする方やこれからサプリメントを取り入れていきたいと考える方に知っておいてほしいことが「クレアチンローディング」です。
しかし、調べていくうちに「短期間に大量摂取すべき」という意見や「お腹を壊すからローディングは不要」などの声があり、迷う方も多いでしょう。
結論から言うと、クレアチンローディングは必須ではありません。しかし、短期間でパフォーマンスを最大化したいと考える場合は、とても有効な手段と言えます。その一方で、近年は技術の進歩によって、ローディング不要のサプリメントも登場しているのが事実。
そこで本記事では管理栄養士の視点から、以下のポイントを解説します。
ローディングの解説ポイント
- 1クレアチンのローディングの仕組みと歴史
- 2ローディングのやり方と具体的な摂取スケジュール例
- 3ローディングが不要なケースと新しい選択肢
クレアチンローディングとは?
クレアチンローディングとは、サプリメントの摂取初期に通常よりも多くのクレアチンを摂取することで、筋肉内のクレアチン貯蔵量を短期間で飽和させる手法です。
クレアチンは、短時間で高強度の運動(ウェイトトレーニングや短距離走など)に必要なエネルギー源として欠かせない物質です。ヒトの体内にもともと存在しており、その約95%が筋肉に含まれています(1)。
筋肉内では「クレアチンリン酸」という形で蓄えられているクレアチンですが、通常の食事だけではその貯蔵量の約60〜80%程度しか満たされていないのが一般的です(2)。
この筋肉を「貯蔵庫」に見立てたときに、外部からの補給によって最短で100%の飽和状態に引き上げる作業が「ローディング」というわけです。
ローディング期とメンテナンス期の仕組み
クレアチンの体内量増加は、運動パフォーマンスの向上に関わることが知られており、「ローディング期」と「メンテナンス期」の2つの時期を組み合わせることが基本の形です(1)(2)。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| ローディング期 (蓄積する時期) |
筋肉へのクレアチン貯蔵量を飽和状態へ引き上げる、最初の5~7日間を指します。国際スポーツ栄養学会などでは、1日約20gを4〜5回(例:5g×4回)に分けて摂取する方法が推奨されています(2)。短期間に多くの量を摂取することで、近日中に試合や大会を控えている方、トレーニングの停滞を打破したいという方に適しています。 |
| メンテナンス期 (維持する時期) |
飽和状態になった筋肉内のクレアチン量を維持する期間です。1日3〜5g程度のクレアチンを継続して摂ることが推奨されています(2)。筋肉内のクレアチンは、日々体内から約1〜2%が代謝によって排出されるため、その不足分を補填していく役割があります(2)。 |
なぜローディングが生まれたのか
ローディングの概念が世界的に広まったきっかけは、1992年にハリス博士らが行った研究論文です(3)。この研究では、1日20gの摂取により筋肉内のクレアチン量が有意に増加することが示されました(4)。
また、当時のトップアスリートたちがオリンピックで優秀な成績を収め、その背景にクレアチンの摂取があったことが報じられ、スポーツ界で一気に広まったとのこと(1)。
現在でも、国際スポーツ栄養学会において、1日約20gのクレアチン摂取が貯蔵量を増やす最も効率的な方法として推奨されています(2)。
ローディングは本当に必要?科学的な答え
クレアチンサプリメントを検討する際に、「ローディングは絶対にしなければならないか?」という疑問に対して、国際スポーツ栄養学会の見解では、必ずしも必須ではないとされています(3)。
しかし、ローディングの有無を考える判断基準には「効果を実感したいタイミングはいつか」という明確な条件が関わってきます。ローディングありとローディングなしの場合に分けて、メリットとデメリットを考えてみましょう。
ローディングあり:約7日で筋肉が飽和
「1日20gのクレアチンを5~7日間で摂取する」という方法を用いた場合、筋肉内のクレアチン貯蔵量は約1週間で飽和状態に達することがわかっています(2)。
ローディングのメリットは、クレアチン貯蔵量が飽和状態になるまでのスピードがとても早いことです。例えば、アスリートが短期間で運動や競技パフォーマンスを向上させたい場合は、ローディングを行うことが戦略の一つとなります(3)。
一方で、ローディングのデメリットは、1日4〜5回にわけて飲む手間がかかることや、大量摂取によるサプリメントの消費が早くなることが挙げられます。また、一度に多くの量を摂取するため、消化器官への負担を感じるリスクもあります(3)。
ローディングなし:28日で同等の結果
最初からローディングを行わずに、メンテナンス期と同じ、1日3g程度の低用量を摂取し続ける手法です。
近年の研究では、この方法でも約28日間(4週間)の継続的な摂取を行えば、ローディングをした場合と同等レベルまで、クレアチン貯蔵量が高まることが報告されています(3)。
ローディングなしのメリットは、消化器官への負担が少なく、お腹の調子を崩しやすい方でも続けやすいことです。
また、摂取回数が1日1回で済むため、飲み忘れのリスクが低く、サプリメント代も節約できるという経済的な利点があります。
一方で、デメリットはパフォーマンスの向上を実感できるまでに、約4週間程度の時間がかかることです(3)。「今すぐ結果を出したい」という方には適していません。
つまり、ローディングありとローディングなしのどちらを選ぶべきかは、個人の目標によって異なると言えそうです。
ローディングがおすすめな方
- 「直近で試合や大会を控えている」
- 「来週からのトレーニングで成果を出したい」といった効率とスピードを重視する方
ローディングなしがおすすめの方
- 「体質的にお腹が緩くなりやすい方」
- 「長期的な視点でじっくり体作りをしたい」
- 「サプリメント摂取の手間を抑えたい」という方
ローディングのやり方(量・スケジュール)
クレアチンローディングを成功させるためには、適切な摂取量と吸収効率を高めるタイミングの2点が重要です。
今回は、体重別の推奨摂取量と1日のスケジュール例を紹介するので、参考にしてみてください。
体重別の推奨摂取量
一般的にローディング期では、1日20gと言われますが、厳密には体重に合わせた微調整が大切です。
| 体重 | ローディング期 | メンテナンス期 |
|---|---|---|
| 60kg | 18~20g(4.5~5g×4回) | 3g |
| 70kg | 21g(約5g×4回強) | 3.5g |
| 80kg | 24g(6g×4回) | 4g |
| 90kg~ | 27g~(約7g×4回) | 4.5g~ |
国際スポーツ栄養学会では、体重1kg当たり約0.3gを目安にしています(2)。
ローディング期は5〜7日間継続し、その後は貯蔵量を維持するメンテナンス期に移行します。
また、一度に大量のクレアチン(10g以上)を摂取すると、浸透圧の関係で下痢を引き起こすリスクがあります。
そのため、数回に分けて摂るようにするとよいでしょう(3)。 さらに、クレアチンは「インスリン」というホルモンの働きによって、筋肉への輸送がスムーズになるため、糖質との摂取がおすすめです(6)。
1日の摂取スケジュール例
パウダータイプとカプセルタイプ、それぞれの特性に合わせた1日のスケジュール例を紹介します。
パウダータイプの場合
パウダータイプは飲み物に溶かして摂取ができ、コストパフォーマンスに優れています。クレアチンは、水よりもぬるま湯に溶かすと溶け残りを防げます。
| タイミング | パウダータイプ |
|---|---|
| 朝食時 | 5g+オレンジジュースなどの果実飲料 |
| 昼食時 | 5g+コップ1杯の水 |
| トレーニング前後 | 5g+プロテインに混ぜて飲む |
| 夕食時 | 5g+水またはスポーツドリンク |
カプセルタイプの場合
カプセルタイプは計量する必要がなく、職場やジムでも手軽に飲めることがメリットです。
| タイミング | カプセルタイプ |
|---|---|
| 朝食時 | 規定の粒数(1.5~2g程度)+水 |
| 昼食時 | 規定の粒数+糖質を含む飲み物 |
| トレーニング前後 | 規定の粒数+プロテイン |
| 夕食時 | 規定の粒数+水 |
しかし、ローディング期に1回5gを摂取する場合は、製品によって10個近くを飲む必要があります。粒数を計算して飲みましょう。
また、クレアチンは細胞内に水分を引き込む性質があり、筋肉以外の場所で水分不足が起きやすくなることも。ローディング中は、コップ1杯程度の水と一緒に飲みましょう(3)。
クレアチンの他の種類も知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてください。
ローディングの注意点・副作用
クレアチンは国際的にも安心感や働きが認められたサプリメントですが、短期間に多量摂取するローディング期には、以下の3つの注意点があります。
ローディングの3つの注意点
- 1お腹の不調
- 2体重増加
- 3水分補給
お腹の不調
一度に大量のクレアチンを摂取すると、人によっては胃腸障害(下痢など)を起こす可能性があります(3)。
科学的な研究では、適切な摂取量から大きく逸脱していない場合、重篤な胃の不調やけいれんを引き起こすという根拠は確認できていません(2)。
しかし、個人の体質による変化も否定できないため、クレアチン摂取では1回の摂取量を3〜5gなどの小分けにして、十分な量の水でしっかりと溶かしてから飲むようにしましょう。
体重増加
クレアチンローディングを始めると、数日で体重が1〜3kgほど増加することがあります(3)。これはクレアチンが体内に取り込まれる際に、一緒に水分を保持する性質があるためです。
また、クレアチン摂取に伴う筋肉量の増加も要因と考えられ、多くの筋力系のアスリートにとってデメリットにはならないという考え方もあります(3)。
水分補給
クレアチン摂取の短期的な注意点として、細胞内への水分貯留量があります。
クレアチンをローディングする際は、筋肉中に水分が引き込まれることで、他の組織で水分が不足しやすくなります(3)。
ローディング期間中は、普段よりも意識的な水分摂取を心がけましょう。
クレアルカリンはなぜローディング不要なのか
「ローディングの手間が負担」「お腹を下しやすい体質を何とかしたい」というニーズに応える選択肢として登場したのが、クレアルカリンです。
一般的なクレアチン(モノハイドレート)では、胃酸のような強酸性の環境下で代謝産物である「クレアチニン」に変化しやすく、吸収効率が低下するという特徴がありました(8)。
一方で、クレアルカリンは独自の「米国特許技術」によって、pH12に安定させたクレアチン分子を原料とした製品です(8)。
一般的なクレアチンのローディング期では、1日20gもの摂取が推奨されていますが、クレアルカリンは1日1.5gの摂取が目安となっています(8)。
特にLEVEL.FITのクレアルカリンカプセルは、1日3カプセルの摂取を目安にして飲む手軽さから、日々の負担を少なくして続けやすいことが大きな特徴です。
「ローディングなしで体づくりを加速させたい」「お腹に優しくサプリメントの摂取を始めたい」という方は、クレアルカリンの活用をぜひ選択肢の一つに入れてみてください。
よくある質問(FAQ)
クレアチンローディングについて、よくある質問を管理栄養士の視点から回答します。
まとめ
クレアチンローディングは、短期間で筋肉内の貯蔵量を最大化し、最も効率よく働かせる手段の一つです。
しかし、現代のスポーツ科学ではローディングは必須ではありません。
1日3gを28日間継続する低用量の摂取でも、最終的にはローディングした場合と同等のレベルで体内のクレアチン量が増加することが分かっています。
つまり、個人の体質や目標に合わせて、取り組みやすい手段を選ぶのが賢い選択と言えるでしょう。
また、もし「ローディングの手間やお腹への不安も避けたい」という場合、少量でも効率的に吸収されるように設計された、新しい選択肢として「クレアルカリン」をぜひ検討してみてください。

