
クレアチンはいつ飲む?トレ前・トレ後・寝る前・休養日を科学的に比較
この記事を書いた人
堀川 えり管理栄養士・フードスペシャリスト
医療栄養学を専攻し、医療機関での栄養カウンセリング、小学校や保育園での調理・栄養士業務を経てフリーの管理栄養士として独立。
「最近、パフォーマンスの伸び悩みを感じる」「疲れが抜けにくい」「クレアチンを買ったが、いつ飲むのが効率的なのかがわからない」 という声はとても多くあります。
結論、クレアチンの摂取は厳格なタイミング管理よりも、運動直後・休養日にも継続して飲み続けることが大切です。
クレアチンは、瞬発力・パワー・スピードが重要視される短時間高強度の運動に欠かせないエネルギー源となる物質です。
最近では身近なサプリメントとして、一般の方にも広く浸透しています。
しかし、クレアチンの正しい飲み方やタイミングごとの違いについては情報が少なく、迷ってしまう方もは多いはず。
そこで本記事では、クレアチンを飲むタイミングを5つのパターンで徹底比較し、それぞれのメリットと注意点について解説します。
クレアチンの特徴を理解したうえで効率的な摂取を行い、筋力や運動のパフォーマンス向上に役立ててください。
結論:飲むタイミングより「毎日続けること」が最重要
クレアチンの摂取はタイミングを気にするよりも、毎日摂り続けることが最重要です。
筋肉内のクレアチン含有量を増やすと、運動のパフォーマンスやトレーニングへの応用、さらには健康維持を多方面からサポートすることが期待されています(1)。
クレアチンの主な効果や筋肉に必要な理由について知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。
筋肉内のクレアチン貯蔵量を飽和させる方法は、主に2つあります(1)。
クレアチン貯蔵量を飽和させる方法
- 1クレアチン5g(体重1kgあたり約0.3g)×4回を5~7日間摂取する
- 21日3~5gのクレアチンを28日間摂取する
ただし、1日3〜5gのクレアチンを28日間摂取する場合は、1つめの方法(クレアチンローディング)よりも筋肉内クレアチン量の緩やかな増加をもたらすことに(1)。
そのため、クレアチン貯蔵量が飽和するまでの間はパフォーマンスやトレーニングへの影響は少ないことが予想されています。
「直近で大切な試合や大会が控えている」「短期間で早く成果を出したい」といったスピードを重視する方は、1つめの摂取方法を強くおすすめします。
また、クレアチンを食事から摂取する場合、1日あたり約1〜3gの摂取が目安です(1)。
1kgあたりの食品に含まれるクレアチン量は、以下の表を参考にしてください(2)。
| 食品名 | 推定含有量(1kgあたり) |
|---|---|
| ニシン | 6.5 〜 10.0g |
| 豚肉 | 5.0g |
| 牛肉 | 4.5g |
| サケ(鮭) | 4.5g |
| マグロ | 4.0g |
上記のように、食品からクレアチンを摂る場合は、ニシンでも約500g(1〜3匹)の摂取が必要です。
そのため、効率的なクレアチン摂取のためには食事とサプリメントの併用が必須と言えます。
しかし、サプリメントの飲むタイミングによって、実はクレアチンの吸収率に影響が出る可能性が示されてきています。
そこで本記事では、複数の論文を参考にしながら、5つのタイミングでのクレアチン摂取について、そのメリットや注意点を比較しました。
5つの飲むタイミングを徹底比較
今回は、クレアチンを飲むタイミングをトレーニング前、トレーニング後、朝・寝る前・休養日の5つに分けて比較しています(3)(4)。
おすすめポイントやメリット、注意点に注目して、ご自身のライフスタイルに当てはめてみてください。
| おすすめポイント | メリット | 注意点 | |
|---|---|---|---|
| トレーニング前 | ★★★★ | 朝や夕方の摂取よりも除脂肪体重や筋繊維、筋力増加への影響が大きい可能性 | トレーニング後よりも吸収されにくい可能性 |
| トレーニング後 | ★★★★★ | 朝や夕方の摂取よりも除脂肪体重や筋繊維、筋力増加への影響が大きい可能性 | トレーニング中の摂取量が少ないと、筋肉が分解されてしまう可能性 |
| 朝 | ★★★ | ルーティン化しやすい 忘れにくい |
トレーニング前後の摂取よりも与える影響が小さい可能性 |
| 夕方~寝る前 | ★★★ | 就寝中の効率的な体づくりをサポートしてくれる可能性 夜間の栄養補給に役立つ |
トレーニング前後の摂取よりも与える影響が小さい可能性 |
| 休養日 | ★★★★★ | 好きなタイミングで摂取できる | 習慣化していないと飲み忘れやすい |
まず、トレーニング前後と朝・夕方〜寝る前のクレアチン摂取の比較です。
一部の研究では、タンパク質や糖質(炭水化物)とともにクレアチンをトレーニングの前と後に摂ると、朝や夕方の場合と比べて、除脂肪体重、筋線維、筋力が増加しやすくなることが報告されています(3)(4)。
つまり、同じクレアチンサプリメントを摂取する場合は、朝や夕方の習慣的な摂取より、運動の前後に摂るほうが効率的である可能性が示されました。
次に、海外の女性スポーツ選手を対象とした研究では、朝にクレアチンを摂取した群と夜に摂取した群との間に、有意差はなかったとの報告がありました(5)。
つまり、クレアチンを朝と夜に摂取しても大きな差がないことが示されています。
朝のクレアチン摂取は、トレーニング前後よりも与える影響が小さい可能性があるものの、ルーティンに取り入れやすい、忘れにくいなどのメリットがあります。
さらに、寝る前のクレアチン摂取に関しては興味深い報告も。
クレアチンは、激しい運動を行ったときのリカバリーに寄与する可能性が示されており(1)、夜間の効率的な体づくりに役立つ可能性が期待されています(15)。
つまり、夕方から寝る前の摂取においては、トレーニング前後よりも大きな影響を与える可能性は低いものの、体をいたわるメンテナンスにおすすめなタイミングと言えるでしょう。
最後は、トレーニングしない日(休養日)の摂取メリットと注意点です。
トレーニングがない日は運動直後や寝る前など、タイミングに縛られることなく、好きなタイミングで摂取できるのがメリットです。
その一方で、摂取のタイミングを自由に決められるため、習慣化していないと飲み忘れやすいのが注意点です。
つまり、クレアチンの摂取タイミングは、ご自身の目的に合わせてカスタマイズできるのがポイント。
クレアチンの摂取例
- 1トレーニングした日は運動直後に摂る
- 2運動前の朝食で摂る
- 3寝る30分〜1時間前に飲む
上記のようなイメージで、出勤前や仕事終わりなどの摂りやすいタイミングで、1日3〜5gを目安に取り入れてみてください(1)。
トレーニング直後に飲むのがベスト?
クレアチンの摂取は「トレーニング直後がよい」という声がありますが、2013年と2021年の2つの研究をもとに確認していきましょう。
2013年の研究から読み解く摂取のタイミング
Antonio&Cicconeによる2013年の研究は、健康的なボディビルダーの男性19人を対象としたものです(3)。
クレアチン5gをトレーニング前またはトレーニング後に摂取し、体の組成やベンチプレスの結果を分析しています(3)。
結果はトレーニング後のクレアチン摂取のほうが、トレーニング前と比べてベンチプレスの回数が増えており、有益である可能性が示されました(3)。
このことから、トレーニング前よりもトレーニング直後のクレアチン摂取を意識するほうが変化が大きい可能性が考えられます。
運動直後が有利なメカニズム
Antonio & Cicconeの論文では、運動後のクレアチン摂取によって筋線維の表面積・筋肉中のタンパク質合成、筋肉内のATP(クレアチン三リン酸)およびクレアチンリン酸の濃度が増加するといった報告がありました(3)。
この結果を受けて、運動直後のクレアチン摂取が有利であるメカニズムについて考えてみます。
いくつかの論文では、以下の内容が報告されています(6)(7)(8)。
クレアチン運動後の摂取による仕組み
- 1トレーニング終了後の速やかな糖質摂取によって、筋肉の分解が抑制される可能性。
- 2糖質やタンパク質との同時摂取によって、筋肉内にクレアチンが素早く取り込まれる可能性。(インスリンの作用によるもの)
また、2021年のCravenの論文では、運動後に糖質(炭水化物)を1時間以内、もしくは1時間ごとの摂取によって、筋肉のエネルギー源となるグリコーゲンの再合成が速くなるという報告もあります(6)。
これは糖質(炭水化物)の摂取頻度を意図的に増やすことで、血液中のグルコースとインスリンの濃度上昇が長く続き、筋肉中のグリコーゲン再合成の速さが向上する可能性があるためです(7)。
そのため、クレアチン単体での摂取ではなく、糖質を含むバナナや100%のフルーツジュース、おにぎりなどの補食として摂るのが効率的です。
「必ずトレーニング後が正解」とは言えない最新知見
しかし、最新の見解ではクレアチンの摂取は「トレーニング後が必ず正しい」とは言い切れなくなってきています。
その理由は以下の2つです(3)(9)(10)。
必ずトレーニング後の摂取が正解とは言えない理由
- 1一部の研究で、トレーニング後のクレアチン摂取によって筋肉の表面積の増加などの傾向がみられたが、有意な結果は得られなかったため。
- 22021年のForbesの研究では、トレーニング前後のクレアチン摂取で肘の筋肉・膝の筋肉の厚み、1回あたりの最大運動量がどちらも同様に増加したため。
つまり、トレーニング前後では「トレーニング後のほうがよい」という報告もあるものの、決定的な差は報告されていません。
そのため、運動後の摂取にこだわりすぎず、糖質との併用や継続的な運動の実施を大切にしてみましょう。
トレーニング前・食事・朝のパターンにおけるメリットと注意点
クレアチンの摂取タイミングについて、トレーニング前・食事と一緒・朝のパターンについても比較してみます(1)(11)(12)(13)。
| 摂取のタイミング | メリット | 注意点 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| トレーニング前 | 激しい運動の前にグリコーゲン(糖質)ともに摂取すると、糖質のみよりもグリコーゲン貯蔵が促される(1) | 少ない水分で飲むと血液中の水分が不足し、筋肉が凝りやすくなる可能性(11) | 果汁100%のフルーツジュースやスポーツドリンクと一緒に飲む |
| 食事と一緒に | 白米などの摂取によって、吸収効率を手助けすることが期待される(12) | カフェインの習慣的な摂取によって、パフォーマンス向上を打ち消す可能性(12) | ぬるま湯に溶かしたものを飲む |
| 朝 | 習慣化されやすい 忘れにくい |
トレーニング前後よりも影響が小さい可能性(3) | 糖質入りのプロテイン、アミノ酸(BCAA)と一緒に混ぜて飲む |
トレーニング前のクレアチン摂取は、トレーニング継続とダメージのリカバリーに役立つ可能性があります。
果汁100%のフルーツジュースやスポーツドリンクに混ぜて飲むと、活動のエネルギー源となる糖質も摂れてグリコーゲン貯蔵のサポートにもつながるためです。
ただし、水分が少ないと運動中に筋肉が凝りやすくなる恐れがあるため、クレアチン約3gに対してコップ1杯の水は準備しておきましょう(11)(12)。
また、食事と一緒の摂取では、ごはんやパンなどの糖質(炭水化物)との摂取によって、クレアチンの吸収効率を助ける可能性が期待されます(12)。
コーヒーやエナジードリンクなどのカフェインを含む飲み物を飲む習慣がある方は、クレアチンとの摂取タイミングを1〜2時間程度ずらして飲みましょう(12)。
クレアチンを朝に飲む場合は、習慣化しやすく飲み忘れにくいのがメリットです。
また、時間栄養学の観点からは、以下のような特徴やメリットも期待されます(13)。
クレアチンを朝摂取する場合の特徴
- 1タンパク質の定期的な摂取によって、筋肉の合成能力と骨格筋が増加する可能性。
- 21日のタンパク質摂取量は朝食に少ない傾向(日本やアメリカの場合)。
つまり、筋力とパフォーマンス向上の両方を叶えたい場合、朝食にプロテインやアミノ酸を摂取することで効率的な体づくりが見込めると考えられます。
その他、クレアチンのNGな組み合わせについて知りたい場合は、こちらの記事をご参考ください。
寝る前に飲むのは効果的?
寝る前のクレアチン摂取は、以下の役割が考えられます(1)(14)(14)(15)。
クレアチンを寝る前に摂取する場合の役割
- 1翌日にダメージを残さないためのコンディション維持
- 2夜間の効率的な栄養補給
クレアチンは、激しい運動を行ったときのリカバリーに寄与する可能性が示されています(1)。
また、一部の研究では休息が十分に摂れない環境でも、本来のパフォーマンスを維持できるという可能性が報告されています(14)(15)。
つまり、夜間の体づくりのために、クレアチンが間接的に役立つ可能性が期待されているのです。
摂取のタイミングは、寝る30分くらい前がおすすめです。カゼインプロテインとの摂取も検討してみましょう(16)(17)。
また、クレアチンの新しい可能性については、こちらの記事もご覧ください。
休養日も飲むべき?
筋力やパフォーマンス維持のためには、休養日もクレアチンを飲み続けることが重要です(1)。クレアチンは筋肉内に蓄積されることで、その役割が維持されます。
クレアチンの継続的な摂取の重要性について、3点にまとめました(1)。
クレアチンの継続的な摂取の3つの重要性
- 1筋肉内のクレアチンは、約1〜2%がクレアチニン(代謝副産物)に分解されるため。
- 2分解されたクレアチニンは尿中に排出され、その分を補う必要があるため。
- 3クレアチンの必要量の半数は食事から得られるが、継続的な摂取は現実的でないため。
クレアチンを摂取する目的の一つは、筋肉内のクレアチン濃度を飽和レベルの状態で維持することです。
そのため、休養日を含めた日々の摂取によって、クレアチンの貯蔵量を維持できるというメリットがあります。
特に休養日の場合は、トレーニングがある日のように急いで摂る必要はありません。朝食時や昼食時などの食事とのタイミングのほか、ご自身のライフスタイルに合わせて無理なく取り入れてみましょう。
効果が出るまでの期間は?
クレアチンの摂取によって、いつから効果が期待できるかはローディングの有無によって異なります。
ローディングあり/なしで到達期間が異なる
一般的に、クレアチンローディング後は、筋肉のクレアチンリン酸の増加に応じて、高強度・反復運動のパフォーマンスが10〜20%上昇すると言われています(1)。
ローディングありとなしの摂取方法の違いは、以下の通りです(1)。
| 種類 | 摂取方法 |
|---|---|
| ローディングあり | クレアチン5g(または体重1kgあたり約0.3g)×4回を5~7日間摂取する |
| ローディングなし | 1日3~5gのクレアチンを28日間摂取する |
クレアチンローディングによる摂取を行った場合、筋肉内のクレアチン貯蔵量は約1週間で飽和状態になることが予想されます(1)。
しかし、1日3〜5gの摂取を継続した場合は、約1ヶ月でようやく筋肉内クレアチン貯蔵量が飽和状態に達します(1)。
つまり、クレアチンローディングありとなしの場合、期待される変化を感じ始めるまでの期間が異なるのです。
そのため、短期間でのクレアチン飽和状態を目指すためには、ローディングによる摂取方法が推奨されています(1)。
クレアチンの1日分の摂取目安量は体重によって異なるため、迷ったときは以下の表を参考にしてください(1)。
| 体重 | ローディング期 | メンテナンス期 |
|---|---|---|
| 60kg | 18~20g(4.5~5g×4回) | 3g |
| 70kg | 21g(約5g×4回強) | 3.5g |
| 80kg | 24g(6g×4回) | 4g |
| 90kg~ | 27g~(約7g×4回) | 4.5g~ |
参考:国際スポーツ栄養学会の内容をもとに筆者作成
また、クレアチンローディングの詳しいやり方や実際の摂取スケジュール例については、こちらの記事を参考にしてください。
あわせて読みたい
よくある質問(FAQ)
クレアチンの摂取タイミングにおいて、よくある質問に回答します。
クレアチン摂取による体重増加や見た目の変化に関する詳しい内容は、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
今回は、クレアチンを飲むタイミングについて5つの場合を比較し、各摂取パターンのメリットや注意点について解説しました。
クレアチン飲むタイミング6つのまとめ
- 1クレアチン摂取はタイミングより継続が重要。
- 2トレーニング後とトレーニング前の決定的な差は報告されていない。
- 3朝や夜のクレアチン摂取効率は、トレーニング前後よりも緩やかである可能性がある。
- 4寝る前のクレアチン摂取における大きなデメリットは、報告されていない。
- 5休養日もクレアチンを摂取し続ける必要がある。
- 6ローディングありとなしでは、クレアチンの飽和状態への到達期間が異なる。
クレアチンの摂取は、ご自身のライフスタイルに合わせて習慣化することが大切です。
そのため、少量でも効率的な体づくりを進めたい方向けに「クレアルカリン」の摂取をおすすめしています。
LEVEL.FITのクレアルカリンカプセルは、1日3粒の設計でローディング不要。素早いクレアチンの摂取が魅力です。
忙しい朝や仕事終わりのジムなどでも、シェイカーは不要。ぬるま湯や糖質を含む食品とかけ合わせて、効率的なパフォーマンス向上を目指しましょう。

