記事: EAAとプロテインの違いとは?使い分けと併用を管理栄養士が解説

EAAとプロテインの違いとは?使い分けと併用を管理栄養士が解説
監修者
堀川 えり管理栄養士・フードスペシャリスト
医療栄養学を専攻し、医療機関での栄養カウンセリング、小学校や保育園での調理・栄養士業務を経てフリーの管理栄養士として独立。
「EAAとプロテインの違いがわからない」「プロテインを飲んでいるけれど、EAAも必要なのだろうか」と悩んでいる方はいませんか?
結論から言うと、EAAとプロテインはどちらか一方を選べばよいというわけではなく、吸収速度や体内での役割が異なるため、目的に応じた使い分けや併用が推奨されます。
EAAとプロテインは、筋トレ中の方にとって重要なものです。両者の違いを理解したうえで、使い分けと併用の仕方について学んでいきましょう。
本記事でわかること
- EAAとプロテインの違い
- プロテインとEAAの概要
- EAAとプロテインの併用について
- EAAとプロテインの選び方
結論:違いは「消化の段階」
結論からいうと、EAAとプロテインの違いは「消化の段階」です。プロテインは、タンパク質そのものを指す言葉です。
一方、EAAはタンパク質が分解されたアミノ酸で、体内で合成ができない9種類の必須アミノ酸を指します。アミノ酸はすでに消化された物質であるため、一般的に吸収が速いと言われています(1)。
このように両者は吸収速度や役割が異なるため、どちらか一方に初めから絞るよりも、目的に合わせて必要なものを選びましょう。
プロテインは日常的なタンパク質補給のベース、EAAはトレーニング前や途中の栄養補給として使うという考え方が一般的です。
①プロテインとは
プロテインは20種類のアミノ酸から構成されたタンパク質であり、体づくりのベースとなる栄養素です(2)。
プロテインには、以下のような種類があります(2)。
- ホエイタンパク質
- カゼインタンパク質
- ソイ(大豆)タンパク質
ホエイタンパク質は水溶性で簡単に混ざりやすく、消化に優れています。
カゼインタンパク質は不溶性で、ホエイタンパク質よりも消化がゆっくりです。
一方、植物性タンパク質である大豆は、完全なタンパク質と考えられているものの、BCAA(分岐鎖アミノ酸)の含有量は牛乳よりも少ないことが報告されています(2)。
1日のタンパク質摂取目安量は、体重1kgあたり1.4〜2.0gが運動する方にとって十分な量であるとも示されています(2)。
②EAAとは
EAAは、体内で合成できない9種類の「必須アミノ酸」のことです(3)。
必須アミノ酸(EAA)9種類
- メチオニン
- フェニルアラニン
- リシン
- ヒスチジン
- トリプトファン
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
- スレオニン(トレオニン)
同じEAAのうち1つでも足りないと、タンパク質の合成障害などを引き起こします(3)(4)。
EAAの補給は、血中の必須アミノ酸濃度と筋タンパク質の合成(MPS)に関与すると考えられており、意識して摂取するとよいでしょう(3)。
また、サプリメントでEAAと比較されやすいBCAAについては、EAAとBCAAの違いの記事で解説しているのでご覧ください。
③EAAとプロテインの違い
EAAとプロテインの違いは、以下の通りです(2)(3)。
| EAA | プロテイン | |
|---|---|---|
| 成分の状態 | アミノ酸 | タンパク質 |
| 含有成分 | 9種類の必須アミノ酸 | 20種類のアミノ酸 |
| 吸収速度 | 速い | 穏やか |
| 役割 | ・運動時の素早いアミノ酸補給となる | ・総合的な栄養補給ができる ・体づくりのベースとなる |
| タイミング | トレーニング30分前~トレーニング中 | ・食事や栄養補給したいとき ・トレーニング後 |
| 価格相場(1kgあたり) | 約3,000〜7,000円 | 約2,000〜6,000円 |
EAAは分離されたアミノ酸であり、吸収速度が速いのが特徴です。そのため、運動時の素早いアミノ酸補給をサポートします。
一方、プロテインはアミノ酸が多数結合したタンパク質であり、吸収速度は比較的穏やかです。プロテインにはタンパク質のほかにも、ビタミンやミネラルなどが含まれる場合があるため、トレーニング後の食事や栄養補給したいときにも利用できます。
1kgあたりの価格相場は、プロテインのほうが安い傾向にあります。しかし、製品によって値段の幅があり、EAAとの役割は異なるため、達成したい目標に向けてそれぞれの栄養素を使い分けることが重要です。
④コストで比較すると?
今回は1食当たりの価格を計算してみました(2)(3)。
| 種類 | EAA | プロテイン |
|---|---|---|
| 相場価格(1kg) | 約3,000〜7,000円 | 約2,000〜6,000円 |
| 1gあたりの価格 | 3〜7円 | 2〜6円 |
| 1食の目安量 | 約6〜15g | 約20〜25g |
| 1食あたりの価格 | 45〜105円 | 40〜150円 |
まず1食当たりのEAA量を円換算すると、約45〜105円程度です。
計算式:3,000〜7,000円(1kg=1,000g)÷1,000g=1gあたり3〜7円
3〜7円×15g=45〜105円
プロテインの場合、種類にもよりますが、1食当たりの価格は約40〜150円程度です。
計算式:2,000〜6,000円÷1,000g=1gあたり2〜6円
2〜6円×20〜25g=40〜150円
さらに、一般的なホエイプロテインに含まれるアミノ酸のうち、EAAの割合は約43%程度と報告されています(5)。
| たんぱく質の種類 | EAAの割合 |
|---|---|
| ホエイプロテイン | 43% |
| 牛乳+カゼインカルシウム | 38〜39% |
| カゼイン | 34% |
| 大豆タンパク質 | 27% |
このように、プロテインからEAAも摂取したい場合、ホエイプロテインやカゼインプロテインなどの動物性タンパク質のほうが、効率的である可能性が高いでしょう。
⑤EAAを飲めばプロテインは不要?
結論としては、EAAを飲めばプロテインが不要になるというわけではありません。主な理由は、以下の3つです。
- 体内での利用には総合的なアミノ酸が必要
- タンパク質総量を確保するため
- 吸収速度による役割の違いがあるため
例えば、必須アミノ酸の一つ、ロイシンのみの摂取でも筋タンパク合成のきっかけにはなるものの、持続的な体づくりにはEAAやタンパク質(構成するアミノ酸)が必要です。
また、EAAは9種類の必須アミノ酸に特化しており、食事やプロテインからの総タンパク質量を満たすベースづくりが欠かせません(3)。
そして、プロテインはゆっくりと吸収されて血中のアミノ酸濃度を維持するのに対し、EAAは素早いアミノ酸の補給に向いています。
したがって、プロテインおよび普段の食事で体づくりのベースを整え、必要に応じてEAAを組み合わせる使い分けができるでしょう。
おすすめのEAA製品
⑥どちらを選ぶか(目的別)
EAAとプロテインのどちらを選ぶかは、目的によって異なります。
ベース重視の方はプロテイン
総合的な栄養バランスを重視する場合は、プロテインの摂取がおすすめです。その他、間食や食事でタンパク質量を確保したいとき、夜間の栄養補給にも選ばれることがあります(2)。
トレーニング中の補給にはEAAがおすすめ
EAAはアミノ酸に分解されているため、吸収がとてもスムーズです。運動中でも負担をかけずに、素早いアミノ酸補給が期待できます。
例えば、プロテインを飲むと調子を崩しやすい方にも向いています。
ラインナップについては、おすすめのEAAの商品一覧(LEVEL.FIT)も合わせてご覧ください。
特に高強度トレーニングを行う場合、トレーニング30分前からトレーニング中はEAAの摂取、トレーニング後はプロテインを飲むなど使い分けをすることが賢い選択です。
(詳しいEAAの飲み方・1日の摂取量についての記事もご覧ください。)
クレアチンとの併用を考えている場合は、1杯でまとめて摂取できるBULK EAAもおすすめです。
EAA・クレアチンを含む製品
⑦よくある質問
ここからは、EAAとプロテインに関してよくある質問に回答します。
まとめ
今回はEAAとプロテインの違いについて解説しました。
- EAAとプロテインの主な違いは、成分状態や含有するアミノ酸、吸収速度や役割など
- プロテインは20種類のアミノ酸から構成されたタンパク質であり、体づくりのベース
- EAAは9種類の必須アミノ酸で、運動中の素早いアミノ酸補給をサポート
- 持病のある方・服薬中・妊娠授乳中の方は医師にご相談ください
ご自身のライフスタイルに合わせて、あなたの目的に合ったサプリメントを選んでみてください。
※持病のある方、服薬中の方、妊娠・授乳中の方は、サプリメントの摂取について事前に医師にご相談ください。
最終更新日(2026.9.9)
