記事: クレアルカリンと脳の関係は?最新の研究をもとに根拠を整理|よくある質問にも回答

クレアルカリンと脳の関係は?最新の研究をもとに根拠を整理|よくある質問にも回答
監修者
堀川 えり管理栄養士・フードスペシャリスト
医療栄養学を専攻し、医療機関での栄養カウンセリング、小学校や保育園での調理・栄養士業務を経てフリーの管理栄養士として独立。
クレアルカリンとは、クレアチンの種類の一つです。近年、「脳にもよいのでは」といった噂を聞いたことはありませんか?
「筋トレ用のサプリメント」というイメージがあるクレアチンですが、最新の研究では脳の働きとの関連も報告されています。
普段、デスクワークで疲れを感じている方や、通常のクレアチンが体質に合わない方にとって、クレアルカリンは新しい選択肢の一つとなり得るかもしれません。
本記事では、クレアルカリン(クレアチン)と脳との関係について、実際の論文をもとに根拠を整理し、よくある質問にも回答します。ぜひ参考にしてみてください。
クレアルカリンと「脳」――前提の整理
クレアルカリンは、pHをアルカリ性に調整したクレアチンです。従来のクレアチンと異なり、胃酸の影響を受けにくく、少量でも効率よく吸収される特性を持っています(1)。
脳とクレアチンとの関係についても整理しておきましょう。
脳は全エネルギーの約20%を消費する重要な器官であり、体内のクレアチンの約5%が脳や神経組織に貯蔵されています。
また、体内でエネルギー源として使われるのは「ATP(アデノシン三リン酸)」という物質ですが、脳はこのATPを大量に貯蔵しておくことができません。そのため、必要なタイミングで常に再合成が行われています。
体内ではATPが消費されてADP(アデノシン二リン酸)に変化した際に、もともと貯蔵されていた「クレアチンリン酸(クレアチンとリン酸が結合したもの)」という物質がリン酸を手渡し、素早くATPを再合成する仕組みが行われているのです。
つまり、クレアチンは体内のエネルギーが不足したときに、素早く必要な器官にATPを届けるサポーターとしての役割があります。
そして、近年はクレアルカリン(クレアチン)と脳に関する研究が世界中で行われています。本記事では、実際の研究を見て、どのような役割が期待されるのかを確認してみましょう。
クレアチンと脳・認知に関する研究
クレアチンは、筋肉への迅速なエネルギー供給をサポートするだけでなく、脳や神経へのエネルギー供給に関わることが報告されています。
ここでは、クレアチンと脳・認知に関する研究を2つ紹介します。
睡眠不足時のパフォーマンスに関する研究
初めに紹介するのは、睡眠不足時という特定の条件下で行われた、健康な男女15人を対象とした小規模研究(RCT)です(6)。
現在のライフスタイルや仕事における重圧は睡眠不足を促し、日々のパフォーマンス低下につながる恐れがあります。
これまでの研究では、少なくとも1週間のクレアチン摂取で、神経内のクレアチン増加や認知機能への変化が観察されていました(5)。
この研究では、最低5日間の間隔を空けて2晩にわたり、夜間にクレアチン0.35g/kgを単回摂取させました。その後、感情に関するテストや眠気・疲労度などを測定しています(6)。
結果は、クレアチンを摂取した場合に、最終的なタスクの処理時間がベースラインと比較して有意に改善し、対照群との比較でも疲労感が有意に低下していることが報告されました(6)。
また、単語の記憶テストでは反応速度にも有意な変化がみられました(6)。
この結果から、睡眠不足という条件下において、クレアチンの単回高容量の摂取はエネルギー代謝の維持を助け、疲労に関わる機能低下を一時的に抑える可能性が期待されています。
ベジタリアン・高齢者を対象とした研究
次は、ベジタリアン(菜食主義者)の若い成人45人を対象とした小規模研究です(7)。ベジタリアンの方は肉類を日常的に摂取しないため、一般的に筋肉や脳のクレアチン貯蔵量が低い傾向にあると推測されています。
この研究では、6週間にわたり5g/日のクレアチンを摂取したところ、組織内のクレアチン量が増加したことが示されました(7)。
また、時間的な制約の中で行われた知能検査の点数と、作業記憶のパフォーマンスに有意な正の変化をもたらしたという条件下での研究が報告されています(7)。
さらに、高齢者を対象とした別の介入研究(RCT)も存在します。この研究では、1日20gのクレアチンを4回に分け、2週間摂取し、認知機能に関する試験を行いました(5)。
結果として、数字の順方向・逆方向再生テストや長期記憶の課題において、クレアチン摂取群でパフォーマンスによい影響を及ぼしたことが示されています(5)。
しかし、今回紹介した研究は対象がベジタリアンや高齢者、睡眠不足時などに限定されており、規模もそれほど大きくありません。そのため、全ての世代にあてはまり、一般化できるほどの根拠は確立されていない点には注意が必要です。
クレアチンと脳・認知については、こちらの記事もご参考ください。
「頭が良くなる」と言えるのか――研究の限界
現時点での研究から、クレアルカリン(クレアチン)を飲むだけで「頭が良くなる」とは断定はできません。
今回は、以下の3つの観点から研究の限界について解説します。
- 1特定の負荷やタスクに対してのみの変化であること
- 2個人差があること
- 3研究データがまだ少ないこと
クレアチンは、上記の研究のように睡眠不足や長時間の疲労など、特定の負荷がかかっている条件下でパフォーマンス低下を軽減すると報告されています。
そのため、「頭が良くなる」というより機能低下のリスクを減らし、本来のパフォーマンスを維持するという考え方が適切です。
また、もともとの体内クレアチン貯蔵量が少ないベジタリアンの方や、加齢に伴う変化がある高齢者の方などは、摂取による変化を感じやすい可能性が報告されています(5)(7)。
一方で、すでに十分な量がある若く健康な方の場合は、その変化を感じにくいなど、実感には個人差があることも考えられます。
3つめの研究の限界点として、クレアルカリンと脳に関する研究は、数十人程度の規模が多く、全ての方に当てはまるわけではありません。
なお、万が一気になる症状がある方は、サプリメントを飲む前に必ず医療機関に相談してください。
クレアルカリン(成分としての位置づけ)
そもそも、クレアルカリンの成分としての位置づけはどのようなものなのでしょうか?
クレアルカリンは、従来のクレアチンの問題点であった以下の3点を考慮し、開発された製品です(1)。
- 1ローディング期の大量摂取における身体的負担
- 2個人の性質による不調
- 3摂取時の水分管理の難しさ
主な特徴は2つです。
- ローディング期が不要
- 1日当たりの必要摂取量は少量(1.5g/日程度)から
クレアルカリンはpHがアルカリ性に調整されているため、胃酸の影響を受けず、体内にほぼそのまま吸収されます。そのため、少量の摂取でも効率的な体づくりをサポートしてくれます。
また、クレアルカリンはアスリートだけが飲む特別なサプリメントではありません。
仕事帰りにジムに通う方や、効率よくデスクワークを進めていきたい一般的な社会人が、日々の健康を意識して取り入れることも可能です。
例えば、集中力が切れてくる午後の会議前や、取引先への移動中など身近なシーンでも手軽に摂取できるのが特徴です。
最近では水なしで飲めるカプセルタイプも登場しているため、ライフスタイルに合わせて活用してみてください。
クレアルカリンとクレアチンの違いについても、ぜひご確認ください。
クレアルカリンと脳に関するよくある質問
ここからは、クレアルカリンと脳の関係や、普段の生活への取り入れ方について回答します。
まとめ
今回は、クレアルカリンと脳の関係について、最新の研究をもとに科学的根拠の整理や研究の限界を解説しました。
- 1脳はクレアチンを多く消費する器官だが、クレアルカリンとの直接的な関係は現在も研究段階
- 2睡眠不足などの特定の条件下での研究において、パフォーマンス維持の可能性が報告されている
- 3実感には個人差があり、今後さらなる研究が必要
クレアチンと脳・認知についての詳しい情報は、クレアチンと脳・認知の効果について解説した記事も参考にしてください。
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