記事: EAAの効果とは?必須アミノ酸9種の働きと必要な⼈を管理栄養⼠が解説

EAAの効果とは?必須アミノ酸9種の働きと必要な⼈を管理栄養⼠が解説
監修者
堀川 えり管理栄養士・フードスペシャリスト
医療栄養学を専攻し、医療機関での栄養カウンセリング、小学校や保育園での調理・栄養士業務を経てフリーの管理栄養士として独立。
「EAAって何?」「自分には必要なのか」「そもそも何の役に立つのかがわからない」と、悩んでいませんか?
EAAは私たちの体を構成するアミノ酸の一種で、体を維持するために欠かせない栄養素です。
本記事でわかること
- EAAとは何か?
- EAAに期待される働き
- EAAは「効果がない・意味がない」と言われる理由
- EAAを取り入れたい人と必須ではない人の特徴
- サプリメントの選び方
EAAに期待される働きや特徴を正しく理解して、必要な方はぜひ取り入れてみてください。
結論:EAAとは体内で作れない9種類の必須アミノ酸
EAAは、体内で合成できない9種類の「必須アミノ酸」のことです。
近年の研究では、EAAの摂取と筋タンパク質合成との関わりで多くの検証が行われていますが、普段の食事から十分な量のタンパク質が摂れているときは、サプリメントからのEAA摂取は必須ではありません。
EAAの摂取で意識したいポイント
- 効率的な体づくりのためのアミノ酸バランスの確保
- トレーニング前や運動時の素早い栄養補給
- 食事だけでは不足しやすい必須アミノ酸のカバー
まずはEAAの体内での役割について学んでいきましょう。
EAAとは?9種類の必須アミノ酸
EAAはEssential Amino Acidsの略称です。
9種の一覧
私たちの体を構成するタンパク質のアミノ酸は全部で20種類あり、必須アミノ酸は体内で合成ができない9種類のアミノ酸です(1)。
| No. | 必須アミノ酸の種類 |
|---|---|
| 1 | ヒスチジン |
| 2 | イソロイシン |
| 3 | ロイシン |
| 4 | リジン |
| 5 | メチオニン |
| 6 | フェニルアラニン |
| 7 | スレオニン |
| 8 | トリプトファン |
| 9 | バリン |
私たちの体内では常にタンパク質の「合成」と「分解」が繰り返し行われています。その中で「合成」のスピードが「分解」を上回ると、効率的な体づくりにつながる可能性があります。
一方で、EAAが1つでも不足すると、筋タンパク質の合成は抑制されます。つまり、体内のタンパク質を維持していくためには、9種類すべてのEAAが十分な量であることが重要なのです。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸の違い
必須アミノ酸と非必須アミノ酸の違いは、以下の通りです(2)(3)。
| 区分 | 定義 | 特徴 |
|---|---|---|
| 必須アミノ酸(EAA) | 食事からの摂取が必須とされるアミノ酸(体内で合成されないため) | ・食事やサプリメントから摂取する必要がある ・9種類ある |
| 非必須アミノ酸(NEAA) | タンパク質を構成するアミノ酸のうち、必須アミノ酸ではないもの | ・他のアミノ酸や糖質などから合成できる ・体づくりの材料としては必須 ・11種類ある |
タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち、11種類はほかのアミノ酸などから作られます。
体内で合成できるアミノ酸は「非必須アミノ酸」と呼ばれ、体内では必須アミノ酸と同じくらい重要な役割を担っています(3)。
EAAを多く含む食品(肉・魚・卵・乳製品・大豆製品)
EAAは、食肉類(牛肉・豚肉・鶏肉)や卵、牛乳、魚(まあじ・鮭)、大豆製品などに多く含まれています(4)。
アミノ酸は摂取量とバランスが非常に重要です。EAAのバランスを数値化したものが「アミノ酸スコア」と呼ばれ、「100」に近いほど食品中のEAAのバランスがよいことが示されています。
つまり、普段の食事ではアミノ酸バランスに優れた食肉類や卵、牛乳、魚、大豆製品などを上手く取り入れるとよいでしょう。
EAAに期待される働き
EAAに期待される働きを3つ紹介します。
筋タンパク質合成との関係
EAAは、筋タンパク質合成との関わりが報告されている栄養素です。運動後の筋タンパク質を合成するためには、血液中のEAA濃度を急激に上昇させることが必要であると複数の研究で示されています(5)。
ある研究では、少なくとも72時間以上の身体活動を控えた、健康な若い男性などを対象とし、一晩食事を取らずにアミノ酸を注入して、筋タンパク質および全身のタンパク質合成を測定しました(5)。
この論文では、血液中のEAA濃度が高くなると、筋タンパク質や全身のタンパク質合成に深く関わることが報告されました(5)。
ロイシンの位置づけ
ロイシンは分岐鎖アミノ酸(BCAA)の一種です(6)。レジスタンス運動を行う上では、ロイシンに重点を置きながらのタンパク質摂取が重要視されています(7)。
例えば、健康な若い男性を対象とした研究では、運動後にロイシンを含むEAAと炭水化物が入った飲み物を(除脂肪体重1kg当たり0.35g+0.5g)摂取したところ、シグナル伝達が刺激され、筋タンパク合成のスイッチが押されやすいことが報告されました(8)(9)。
このことから、ロイシンや分岐鎖アミノ酸、EAAはタンパク質の材料としてはもちろん、「合成」と「分解」を誘導し、たくましく作り替えるという期待が考えられています(6)。
トレーニング時の栄養補給としての位置づけ
トレーニング中は、体内のエネルギーやアミノ酸が消費され、タンパク質の分解が進みやすい状態になります。
若い男女6人を対象とした研究では、6gのEAAと35gの砂糖を500mlの水に溶かし、運動1時間後と3時間後に飲んでもらったところ、筋タンパク質に変化が見られたとの報告もあります(9)。
十分な量のロイシンやEAAの摂取は、トレーニング後のタンパク質バランスを保ち、コンディショニングなどに役立つと期待されているのです(7)。
また、EAAは消化を必要とせず素早く吸収されやすいため、厳しいトレーニングの前の栄養補給にも用いられます(1)。
「EAAは効果ない・意味ない」と言われる理由
「EAAは効果がない・意味がない」と言われることもありますが、その理由として利用シーンや摂取タイミングの兼ね合いによるケースが多いです。
今回は主な3つの理由を解説します。
食事やプロテインで必要量を満たしている場合
普段の食事やプロテインで十分なEAAの量を満たしている場合、サプリメントを追加摂取しても変化を感じにくい可能性があります(6)。
これは食事やプロテインから必要な量のEAAを吸収した後は、筋肉にそれ以上のEAAは取り込まれなくなり、血液中に放出されるためです。
EAAとプロテインの違いや使い分けについても、ぜひ確認してみてください。
BCAAのみの摂取と混同されやすい
BCAAはEAAのうち、バリン・ロイシン・イソロイシンの3種を取り出したサプリメントです。一方、EAAは9種すべての必須アミノ酸を含みます。
過去の研究では、9種類全てのEAAがない状態でBCAAのみを摂取した場合に、体内のほかの必須アミノ酸が不足してしまい、体づくりのための環境が十分に作られなかった可能性が指摘されています(6)。
これは9種類のEAA(および11種類の非必須アミノ酸も含めて)が筋タンパクの合成に必要な材料だからです(2)。
BCAAのみの摂取では、筋タンパク質を体づくりに活用することは不可能であると考えられます。
EAAとBCAAの違いについてもぜひチェックしてみてください。
量やタイミングが合っていない
EAAの摂取量やタイミングが合っていない場合も、効果がない・意味がないと言われる理由の一つです。
EAA(必須アミノ酸)の1食当たりの目安量は約10〜15gとされており、適切なタイミングはトレーニング前やトレーニング時と言われています(6)。
EAAを飲むタイミングと1日の摂取量については体重や運動強度、性別によって変わってくるため、詳しくは解説記事を参考にしてください。
EAAは必要?取り入れたい人・必須ではない人
これまでの内容も踏まえて、EAAは本当に必要なのか?取り入れたい人と必須ではない人を整理します(1)。
| 取り入れたい人 | 必須ではない人 |
|---|---|
| トレーニング頻度が高い | 食事で十分なタンパク質がとれている |
| 食事量が限られる | 運動習慣があまりない |
| プロテインで胃が重く感じる | 持病がある場合 |
トレーニング頻度が多い方は、EAAサプリメントを適度に取り入れることによって、効率的な体づくりにつながります。例えば、3gのEAAと約10gのEAAを含むホエイプロテインの摂取では、同様程度に筋タンパク合成を刺激することが報告されています(1)。
次に、カロリー制限によって食事量が限られる方には、EAAの摂取は非常に意味のあるものになります。カロリー不足の状態では、全身のEAAの必要量は増加します。必要量が満たせない場合、筋肉のタンパク質が分解されて、体のエネルギー源として使われるのです(1)。
最後に、プロテインの摂取によって胃が重いと感じる方にもEAAの摂取はおすすめです。EAAは分解・精製されたアミノ酸であり、吸収速度が速いのが特徴です。そのため、運動時の素早い栄養補給に適しています。
一方で、必須ではない方は食事で十分なタンパク質が確保できている方で、普段から激しい運動を行わない場合は食事からのタンパク質摂取で十分です。
※持病のある方や通院中・服薬中の方は、事前に医師へ相談した上で、使用を検討してください。
自分に合う商品を探したい方は、以下の商品一覧をご覧ください。
EAAサプリの選び方
EAAは1食あたりの量、ロイシン含有の有無と量、使用されている甘味料、味、続けやすさ(価格など)の観点から選ぶとよいでしょう。
例えば、LEVEL.FITのEAAサプリメントの場合、以下の特徴になっています。
| 商品 | 1食あたりの量 | EAA量 | ロイシン量 (バリン:ロイシン:イソロイシン) |
甘味料 |
|---|---|---|---|---|
| EAA 人工甘味料不使用 アセロラ風味 | 21g(1日1回) | 1食あたり8,446mg | 1:2:1 | 植物由来(ステビア) |
| EAA ミックスベリー風味 | 21g(1日1回) | 1食あたり8,949mg | 1:4:1 | 植物由来(ステビア) |
アミノ酸であるEAAは、体づくりの材料や必要なときのエネルギー源として働きます。また、クレアチンを組み合わせることで、運動時の栄養補給を多角的にサポートすることが期待されます。
もしEAAとクレアチンを1杯で摂取したい方は、BULK EAAをぜひチェックしてみてください。
EAA・クレアチンを含む製品
飲むタイミングと摂取量
EAA(必須アミノ酸)の飲むタイミングは、食事がとれていないときのトレーニング前やトレーニング中がおすすめです。
必要な栄養補給をサポートしてくれるほか、筋タンパク質の分解との関わりが期待できます。
1回あたりの摂取量は、約10〜15gを目安に始めてみましょう。
国際スポーツ栄養学会(ISSN)の指針では、必須アミノ酸10〜12g、ロイシン1〜3gを摂取することで、筋タンパク質の維持や体づくりに役立つと報告されています(7)。
1日に必要なEAAの摂取量は、体重や運動量、性別によって変わってくるため、具体的な飲み方についても確認してみてください。
よくある質問
ここからは、EAAに関するよくある質問について回答します。
まとめ
今回は、EAAに期待される働きや意味がないと言われる理由、EAAを取り入れたい人と必須ではない人の特徴などについて解説しました。
- EAAは体内で作れない、9種類の必須アミノ酸のこと
- 筋タンパク質の合成やロイシンとの関係性、トレーニング時の栄養補給としての役割が期待できる
- トレーニング頻度が高く、食事量に制限がある方、プロテインを飲むと胃が重く感じる方にはEAAの活用がおすすめ
- 1回の目安量は約10〜15gで、トレーニング前や途中の栄養補給に取り入れる方法がある
EAAに期待される働きを理解したうえで、ご自身の目的やライフスタイルに合わせて取り入れてみてください。
※持病のある方・服薬中、妊娠・授乳中の方は医師に相談し、利用を検討してください。
最終更新日(2026.10.3)
